研究論文・著書

低分子ネマチック液晶ダイレクタ不均一配向分布の発生機構に関する研究

非平衡状態でのネマチック液晶ダイレクタの回転緩和は、その回転角に依存して均一・不均一配向分布を取ることを既に明らかにしている。この緩和過程の研究には、時間分解重水素化核磁気共鳴(DNMR)分光法を用いている。不均一配向分布は、電場・磁場直交系のダイレクタ回転緩和過程においてのみ観測される。熱的なダイレクタゆらぎによる初期配向分布の歪みに着目して、その発生機構を明らかにするための研究を行っている。

磁場と電場が完全直交する実験系の構築

電場と磁場がほぼ直交する系では、ダイレクタ配向緩和過程において不均一な配向分布が生じることがDNMR測定により観測されている。 現在の実験系では、電場と磁場を完全に直交させることはできない。本研究では、ローレンツモータ回転制御による磁場・電場直交系の作成を行っている。

DNMRスペクトルからダイレクタ配向分布への逆問題解決に向けた研究

ネマチック液晶セルにおける液晶ダイレクタ配向分布の制御及び理解は、新しい液晶デバイスの開発に向けて重要な要素の一つである。ダイレクタ配向分布を観測する方法として、本研究室では重水素化核磁気共鳴(Deuterium Nuclear Magnetic Resonance:DNMR)分光法を用いている。 本研究の目的は、外部電場遮断後の磁場系におけるダイレクタ回転緩和過程を計算機シミュレーションによって検証することである。